痛みは、大脳によって感知されますが、大脳の辺縁系といって人間の情動を司る機関によって影響を大きく受けます。火事や、地震などのとき、とっさに膝、腰などの痛みを忘れ、大きな荷物を担いで大急ぎで走って逃げることがあります。逆に、悲しい気持ちや心細い気持ちになってくると、普段なら感じなくてもいい程度の痛みを感じることもあります。その他、すごく大きな痛みが体を襲ってくると、暫くしてその痛みを感じにくくしてしまう反射が生じて、あたかも治ったかのように感じられる場合もしばしば見受けられます。
つまり、痛みという感覚は常に一定ではなく、その時の体調、情緒、怪我の程度、怪我をしてからの日数によって大幅に変動してしまうわけです。よくある勘違いに、痛みがなくなったから治った。と思っておられる方が多く見受けられますが、損傷した組織の修復は、上記のような理由で痛みの消失と殆ど一致しません。途中で治療を中断した方の殆どは2〜4週間後に悪化して再来院しています。痛みに惑わされすぎずに、治療に専念して下さい。
内藤接骨院 院長 内藤 晴義